2004-02-01から1ヶ月間の記事一覧
宮城谷の書く話は、何時も人を書いて居る様で時代を書いて居る。 人の瞬間の浮き沈みなど大したことでは無いと慰められる気もすれば、どんなに頑張っても頑張らなくても天が決めるのだという無力感もある。 毎回同じ感想になってしまうのだが、今回の「青雲…
海底作業に特化した「謎の」潜水艦の物語。 深海と言うだけで十分に未知の問題と常に直面させられていると言うのに、更に、特定の領域に特化したものだから、居住性や目的地までの移動能力などに弱点を抱えながらの任務の描写が面白い。 建造までの話では、…
土木の知識が無いもので、何処まで理解出来たのか覚束無いが、それでも、何の世界にせよ、「特異なもの」「変わったもの」が面白くない訳が無い。
以前読んだISBN4-7980-0576-2と逆の立場から、ヒト・ゲノム計画を描いた本。 以前読んだ本は、公的プロジェクトの立場で書かれており、この本の主人公は悪者だった。 逆側から書かれた本を読んで、セレーラが一方的な悪者(単なる金の亡者)とは言い難いなと思…
如何にも、大学教養部集中講義議事録とでも言いたげな内容。
例によって、本文とは微妙に無関係な西原の絵だけが面白い。 共著のものは買うのはもう止めようと思って居たのだが、「最後の」と書いてあったので、つい捕獲。
TVは視て居ないのだが、日本の伝統技術を紹介し、それが西欧の現代工業に、旧くて新しい技術として、どう生かされて居るかというのは、僕には新鮮な話題だった。
精子競争にまつわる生物学の総説という意味で、大変面白かったのだが・・・(カバーを外すと)白地に赤でくっきりと「乱交の生物学」と書かれた本を、通勤電車の中で読むのは勇気が要った。
予想に反して、只の競馬小説では無く、競馬に関わった或る幕末・明治人の生き様を書いて居たから、意外に面白かった。
この著者の本を読むのは3冊目。 毎回、苦労話が苦労と思えない、サラサラとした読後感しか残らないのが残念。 それでも、自分と違う業界の中に居る人間が、その業界のことを書いた文章は、下手にプロの書き手が、専門外の話を付け焼き刃で書くよりはまし。
作られた「頑固親父」の語り調・・・なのが目障りだが、それでも、鮨でも喰おうかと思った。
歴史に淘汰されずに生き残ってきたということだけで、何となく効きそうな気がする薬たち。 名前は知っているが見たことのない萬金丹から、懐かしい太田胃散・トクホン・浅田飴・龍角散・養命酒・宇津救命丸・・・それぞれの逸話で1冊づつ本になりそうな気が…
西原だけ読めれば良いんだが・・・何時もながらの捨て身な文章と絵が良い。
10分で読み終える穏やかさ。
何時もながら、上手い。
報道を斜め読みした限り、北京はSARSに対して余りにも無策だったから惨事を招いたものと思い込んでいた。これを読んで、単に対応が後手に回っただけで無策だった訳ではないことを知る。と言うか、あの状況で先手を打つことが出来たものかと思うと、更に暗澹…
当事者からすれば、例えマフィア幹部であっても、父は父なのだな。
筋書きが面白くて最後まで一気に読み終えた。 チェスの知識があれば、それなりに各章の副題をニヤニヤして読めたのだろうけれど。
ナチスの行為を根拠に、ナチスの「成果」を全否定することに違和感は感じないが、功罪は紙一重だなとは思った。
流石に、文章は旨い。 旨いから、つい、読まされてしまう。 でも、僕は何も悪いことをして居ないと言いたげな、年不相応な無邪気さに胡散臭さも感じてしまう。
ヒトラーの周辺という特殊な環境下でも、日常は日常だったのだなという感想と、身近過ぎて特殊な環境を意識出来なかったのだなという感想と。 所々に挿入されている戦後直後の手記に見られる混乱を読むと、2002年になって漸く淡々と書くことが出来る様になっ…
視点の深浅が無く、文体の起伏が無く・・・それでも希有の体験を書いて居るから読まされてしまう。
結局、この人は経営者として何が拙かったのだろう?と言うのが見えぬまま、読了。 別に、こんな凄い手腕の経営者が・・・と思った訳では無く、逆に、マクロな問題点が見えぬまま、淡々と出来事が積み重なって倒産していくのがもどかしい。 まぁ、分析し切れ…
再読・・・のはず。 何故か栞が途中に挟んだままだったのが気になって、改めて読み返した。 嫌味すれすれの蘊蓄と、敢えて読み辛さを狙って居るかの様な文体が、読後の適度な疲労感を与えてくれるものだから、普段、娯楽本ばかり読んで居る身には、良い刺激…